我が家は共働きなので、なかなか夫婦揃って買い物に行ける時間が取れない。しかも夫は朝早く出て帰ってくるのはだいたい夜7時頃だし、私は朝9時くらいに家を出るけれど、帰って来られるのも夜9時くらいだ。しかも夫は週末がおやすみだけど、私の仕事はシフト制なのでなかなか休みも合わない。一日のうちで、ゆっくり会話できる時間も少なく、すれ違い離婚なんて言葉を聞くたびにドキッとするけれど、うちは今のところ大丈夫そうだ。

ある日回覧板が来たので見てみると、最近うちの界隈で空き巣被害が増えているとのことだった。我が家は日中殆ど留守にしているので、他人事とは思えない。そこで夫と相談し、金庫を買おうということになった。しかもすぐに持ち去られてしまう簡易的なものではなく、できたら耐火性で頑丈で簡単には持ち運べないものがいい。「金庫って通販で買えたりするのかな？」と私が聞くと、夫がインターネットで調べてくれた。

すると驚くほどたくさんの種類の金庫が並んでいた。たくさんありすぎてどうやって決めたらいいのかわからないほどだ。値段もピンキリだし、鍵の形状も様々なので、一つに絞り切れない。だけど一生使えるものをと考えるとそれなりに高くてもいいのかな、という結論になり、私達は簡易冷蔵庫くらいの大きさのものを購入することにした。二人ですれ違いながらも頑張って貯めたお金やパスポート、私の貴金属や夫の趣味である時計なんかを保管するつもりだ。値段はそこそこしたけれど、それらをすべて失ったときの損失に比べたら安い物かな…と自分たちを納得させた。

明日は私の休みなので、夕方までに届けてもらう予定だ。私達の財産を守ってくれると思うと、なんだかまるで金庫が私達の用心棒のように思えて心強い。今から私たちの用心棒が来るのが待ち遠しい。